足の痛みの原因をさぐってみた

外反母趾に代表されるような足トラブルの原因は何なのでしょうか?
「足のクリニック表参道・桑原院長」にお話をお伺いしました。

外反母趾の根本原因は、靴かと思いきや、違います。「遺伝」です。何が遺伝するのかというと、「外反母趾になりやすい足」が遺伝します。面白いのは、普段靴を履かず裸足で生活している民族の人にも、一定割合で外反母趾の人がいることです。

「外反母趾になりやすい足」が遺伝するというのは、外反母趾になりやすい「足の骨格」や「並び」、「靭帯や筋肉や柔軟性」が遺伝するということであり、言い換えると「外反母趾になろうなろうとする足の骨格構造」が遺伝しているのです。結果として、なりやすい足の人は歩いているだけでどんどん外反母趾が進行してき、そしてそこが靴にあたり、痛みが生まれます。

少し専門的な言い方をすると、こうした骨格の場合、5本の指のつけ根をつなぐ「横アーチ」が押しつぶされて、土踏まずの部分がべったりと地面についてしまい、さらに内側方向にねじれる力が働くため、親指の付け根にある「MTP関節」と言われる外反母趾部分の部位に過大な負担がかかります。

この関節ができるだけつじつまを合わせようと、外へ「逃げよう」として、「く」の字に張り出しながら脱臼していくのです。たとえそれでも足の全体バランスとしてはそのほうが“ラク”だから、外反母趾が進行してしまうのです。

その他、タコや魚の目、巻き爪、小指側の内反小趾なども、こうした考え方の延長線上にあります。
さらに、この根本原因を持つ人が、より症状を悪化させる要因として「どんな生活をしているか?」と「年齢」があります。例えば、日頃どんな靴をどれくらい着用しているか、スポーツはどのくらいやっているか、立ち仕事をしているか、など。外反母趾になりやすい足に、より強い荷重がかかったり、長い時間かかったりすることで、外反母趾はますます悪化します。また、歳をとるほどに、体の柔軟性や筋力も衰え、そうしたカラダ全体で軽減していた足への負荷が強まっていくのです。

足の形に合った靴を選ぶのは、足の負担が減るため、基本として大切です。
しかし、それは根本原因に対する解決にはならないのです。
足の骨格、アーチ、荷重のかかり方、歩き方。こうしたことにアプローチする靴が必要なのです。

ただし、自分の足で元気に歩くために健康な足を守れるよう「タコや魚の目はだれにでもできる」「病院に行くほどの問題ではない」などと考えず、専門医に相談するのがまず大切です。